アパート退去時のトラブル

敷金ゼロ円の落とし穴 

毎年、年度切り替え時期の3月、月はお引越しのシーズンです。

慣れ親しんだ住まいを離れまた、新しいお部屋探しをと考えている方も多いと思います。

初期費用が安いことは魅力的ですが・・・

最近は、敷金がゼロ円という物件も多く見られるようになりました。

敷金の相場は家賃の1~3ヶ月ですから結構な金額ですよね。
そのため初期費用を出来るだけ安く抑えられるので非常に魅力的ですよね。

しかし、これにはカラクリがあるのです。

そもそも敷金とは❓

家賃などの債務の担保として預けておく保証金のような性質があります。
また、退去時の入居者の原状回復義務による、修理負担分が敷金から賄われたりします。

残金があれば戻ってきます‼

それでは敷金ゼロということは・・・ 退去時に入居者原状回復義務により修繕費用の負担が出てくる可能性があります。

そのため、貸主と借主のどちらが費用負担するのか?また、貸主手配の業者さんから高額費用を請求された‼ 等のトラブルが発生しています。


退去時のトラブルなし!気分よくスッキリお引越しするために知っておきたいこと‼

入居時:

  • 契約書をよく読む。
  • あいまいな点は、納得いくまで質問し説明を受けるようにする。
  • 不審な点があれば契約しない。
  • 入居時に立ち会う。
  • 入居前に室内状況をよく確認しあい、傷や汚れの時期や状況を写真に撮り残しておく。

退去時

  • 退去時に立ち会う。
  • 兄弟や友人など第三者に参加してもらう。
  • その場できちんと主張する。
  • 納得いかない場合は、サインしない。
  • 困った場合は、消費生活センター等に相談する。

賃貸アパート等退去に伴う原状回復義務ガイドラインについて

原状回復義務とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意、過失善管注意義務違反、その他、通常の使用を超えるような使用による損耗、破損等を復旧すること。」と定義されています。

賃貸人負担になるもの

洋室掃出しフローリングの劣化

クロス壁のカビ&床のシミ

通常使用でも発生するもの
(家財設置の床の凹み、画びょう程度のピンの穴、日照など自然現象または、構造的欠陥(雨漏れ等)によるクロス、フローリングの変色、照明器具や冷蔵庫など電気焼けによる黒ずみ等)

入居者確保の為に行うもの(グレードアップ)
(特に破損していないものの設備等の取替え、専門業者によるハウスクリーニング代等)

賃借人負担になるもの

故意、過失、通常使用とは言えないもの
(クロス壁、ドア、扉等の陥没穴、凹み、引っ搔き傷、落書き等 / 飲みこぼしや冷蔵庫下のサビ放置によるフローリングの汚損等 / 引っ越し作業等で生じたクロス壁、扉、フローリングの凹み、引っ搔き傷 傷等 / 結露を放置して拡大したカビ、煙草のヤニ等による壁、天井のクロスの変色、フローリング床のタバコの焦げ跡 / 犬、猫などペットによる柱や扉、フローリングの傷やオシッコ等による「シミ」変色 / キャスター付き椅子使用による床の凹み傷等)


◆敷金ついて

敷金とは、賃貸契約の際に債務を担保する目的で賃借人が賃貸人に預けておく費用のことです。
家賃の滞納もなく、特に原状回復工事も発生しない場合は、退去時にクリーニング代のみ引かれて借主に返却されます。
(「敷金ゼロ」のところは、入居時か退去時のどちらかに別途クリーニング代が請求されるのが一般的です。)


◆退去時の敷金返還もしくは原状回復工事費用に関するトラブル

借家とはいえ、思い出の詰まった慣れ親しんだ場所を離れることは、寂しいものですよね。
そして、新たな場所へ移るにしても、心晴れやかにスッキリとした気持ちで移りたいものです。

しかし、入居時に敷金を払っていた場合、基本的には返ってくるはずの敷金が戻らなかったり、逆に高額な料金を請求されなおかつ追加料金を請求される、また、「敷金ゼロ」で初期費用は抑えられたが結局退去時に原状回復工事費用として、到底納得いかないくらいの高額な工事代を請求されたりと(「もう少し価格をおさえられなかったのか?」)、最近、敷金に関するトラブルが増えているようです。


◆退去時のトラブル回避対策

入居時に立ち会う 
トラブルの多くは入居時、既に傷や故障等の不具合があったかどうかが争点になる事がよくあります。こういったことから、入居時に双方でしっかり確認しあっておく事が望ましいです。もしそれが難し場合は、チェックリストなどを利用して確認し写真を撮っておくことが有効な手段になります。(ただし、法的には貸主(大家さん)側に立証責任があります。)

退去時に立ち会う
退去時の部屋の立ち合いには、必ず出向きましょう。その場できちんと主張し納得がいかない場合は、きちんと話し合いましょう。

退去時立ち合いまでにしておくこと
きれいに掃除をしておく。特に台所回りや水回りをキレイにしておくと、「丁寧に使ってくれていたんだな」と印象が良くなる様です。
少なくとも交渉が上手く進められる可能性があります。

また、
・壁や扉に穴を空けた、またはキズをつけてしまった‼ 
・キャスター付き椅子を使用していたが、ふと気が付くとフローリングに傷が付いていた‼ 
・ヤンチャな子供がクロス壁に落書きをしてしまった‼ 
・ペット可のアパートだが柱や床が傷になってしまった‼ 
・ペットのオシッコ等でフローリングにシミができてしまった‼ 

などなど、故意ではなくとも過失、通常使用とは言えないものについては、明らかに賃借人の負担にて原状回復義務を負います。

その場合、退去時立ち合い前に、何事もなかった状態にしておけば、
面倒な話し合いもせずに、しかも、ご自分で補修業者選定し直接依頼するため、
気に入った仕上りを求めることは勿論のこと、何よりも直接なので相当な価格を抑えることができるはずです。

原状回復義務の定義内容を把握しておく
退去時の原状回復について、国土交通省のガイドラインでは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意、過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗、毀損を復旧すること」定義しています。
簡単に言いますと借主は、退去時にどこまで原状回復させるのか、そしてその修繕費用を負担するのか?どこからは貸主が負担するのか?です。

ざっくりに言いますと、日焼けなど自然現象、経時変化、通常の使用による損耗等、雨漏り等構造的欠陥による損耗等は、賃借人の負担 / 借主の故意、過失、通常の使用を超える使用による損耗、毀損は原状回復義務を負うことになります。